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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩6 双胎妊娠の早産予知における経膣超音波による子宮頚管観察の意義
松村 好克, 深見 武彦, 倉品 孝平, 渋井 雇子, 藤江 裕美, 西田 直子, 金 栄淳, 松島 隆, 小西 英喜, 可世木 久幸, 朝倉 啓文, 竹下 俊行
日本医科大学産婦人科
【目的】双胎妊娠は早産リスクが高く,早産予防のための管理が求められる.今回,双胎妊娠の早産スクリーニングとして子宮頚管長と,子宮頚管腺領域像(CGA)観察の意義を検討した.とくに,早期予知を目指して妊娠24週時点での観察につき検討した.【方法】当院で平成15-16年に経験した双胎妊娠を対象としたretrospective studyで,妊娠23-24週から2週間毎に経膣超音波による子宮頚管観察を行えた症例54例を対象とした.医学的適応による早産例は除いた.分娩時期により,妊娠34週未満の早産(早産A群),妊娠34-37週未満の早産(早産B群),37週以降の正規産群の3群に分類した.【成績】1)早産は全体の43%で,早産A群が9.4%,早産B群が34.0%であった.2)79%が2絨毛膜性双胎で各群間による差はなかった.3)早産A群の妊娠23-24週の頚管長は22.5±10.3mmで,早産B群(35.4±9.8mm),正期群(36.4±11.0mm)より短縮していた(p<0.05).4)妊娠23-24週のCGAは早産A群の40%で消失し,早産B群の27.8%,正期産群の3.2%よりも多い傾向があった.さらに,早産A群の40%では子宮頚管長短縮とCGA消失の両所見が認められ,その出現頻度は早産B群,正期産群よりも高かった(それぞれ5.6%,3.4%)(p<0.05).妊娠23-24週で両所見が観察されると50%が妊娠34週未満の早産になっていた.【結論】妊娠34週未満の早産に到る双胎妊娠例では妊娠24週時点から子宮頚管長は短縮し,同時にCGAも消失していることが多かった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
146-146, 2006
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