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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩6 妊娠18週で前期破水を来した後,保存的管理にて両児とも好転帰をとった二絨毛膜二羊膜性双胎の一例
曽根 君恵, 中島 義之, 菅野 光, 宮川 康司, 正岡 直樹, 山本 樹生
日本大学医学部産婦人科
妊娠20週未満の前期破水(PPROM)を来した双胎妊娠の周産期予後は極めて不良であると知られている.今回我々は,妊娠18週で前期破水を来した後,保存的管理により両児とも好転帰をとった二絨毛膜二羊膜性双胎の一例を経験したので報告する. 症例は48歳3回経妊0回経産.IVF-ET後二絨毛膜二羊膜性双胎妊娠成立し,近医にて妊婦健診施行していたが,妊娠18週2日前期破水のため当院入院となった.入院時,子宮口閉鎖,子宮収縮および母体発熱は認めず,白血球9700/μl,CRP 0.14mg/dlだった.超音波検査では先進児(破水側)の羊水ポケットは17mm,後続児(未破水)は羊水ポケット43mmだった.患者本人希望のため羊水染色体検査施行し,後続児のみ羊水穿刺し46XXだった.妊娠20週未満の双胎PPROMは予後不良なことを説明したが,患者の妊娠継続希望が強く,保存的治療にて妊娠継続することとした.入院後2日目fibrin sealingを施行し,塩酸リトドリン持続点滴,抗生物質点滴を行い,連日腟洗浄およびウリナスタチン腟内投与した.子宮収縮が次第に増悪し硫酸マグネシウムを併用したが,妊娠30週より高血圧と蛋白尿出現し,妊娠高血圧腎症重症型(hP-EO)のためterminationの方針とし,両児骨盤位のため,妊娠32週4日緊急帝王切開術施行した.第1児は1483g(頭囲29.8cm,胸囲23.5cm)男児,アプガールスコア6点(5分8点)で,第2児は1719g(頭囲30cm,胸囲27cm)女児,アプガールスコア5点(5分8点)だった.術後胎盤病理組織検査では臍帯炎や絨毛羊膜炎は認めなかった.両児とも現在NICU入院中であり,第1児はRDS,PVEを認めたが経過順調であり,第2児は特に異常を認めてない.母は産褥経過順調で現在外来経過観察中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
147-147, 2006
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