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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩6 妊婦に対するリアルタイム4次元超音波外来の意義
上田 万莉, 丸茂 元三, 中村 弘治, 井村 昌義, 竹内 沢子, 難波 直子, 疋田 裕美, 石田 友彦, 藤孝 一郎, 山本 幸彦, 森田 豊, 大橋 浩文
板橋中央総合病院産婦人科
当院では胎児の4次元超音波を希望した妊婦に対し,インフォームドコンセントを得て,一回あたり約30分間,リアルタイム画像をお見せするとともに,DVDやビデオに録画し自宅へ持参させている.この4次元超音波外来が妊婦および家族に及ぼす心理的効果を検討した.平成17年1月から平成17年9月までの間に当院で分娩された846症例中,560症例を対象にアンケート調査を実施した.560症例うち,282例,50%の症例が,妊娠中に4次元超音波画像撮影を施行されていた.年齢による施行率は,20才代前半53%,後半51%,30才代前半50%,後半51%であった.画像に「満足」,「ほぼ満足」と答えた症例の割合は87%であった.初産婦は経産婦より満足度が高かった.「やや不満」と答えた症例は5%で,「不満」と答えた症例は皆無であった.妊婦の心理的変化として,「赤ちゃんが順調に発育していることがわかり安心した」66%,「赤ちゃんに会えることが楽しみになった」61%,「赤ちゃんに親しみ,いとおしさ等の愛着がでてきた」59%,「妊娠の自覚が強まった」21%,家族の心理的変化として,「家族が喜んでくれた」67%,「夫として出産を待ち遠しくなった」32%,「夫として父親になる自覚がでてきた」17%であった.児への愛着感,妊娠の自覚,父親になる自覚が高まっていた.妊婦および家族が,胎児の4次元画像をリアルタイムで見るのみならず,自宅へ持ち帰り,胎児のしぐさやささいな動きをくり返し見ることにより,妊娠中から胎児への親しみ,愛情を高める要因となりうる可能性が示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
148-148, 2006
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