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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩7 帝王切開後の合併症により子宮摘出に至った2症例
佐久間 洋1), 高橋 通1), 加村 和雄2), 梶原 健2), 永田一郎2)
熊谷総合病院産婦人科1), 埼玉医科大学産婦人科2)
帝王切開は分娩に際し必要不可欠であり,その方法はほぼ確立されているかに思えるが,手技等もいまだ検討されている.今回我々は帝王切開後,時を経て起こった合併症により子宮摘出に至った2例を経験したので報告する.【症例1】29歳2回経妊,2回経産.既往歴:25歳時に大腸憩室炎で入院加療.22歳時,常位胎盤早期剥離にて前医にて帝王切開施行.28歳時前医にて反復帝王切開施行.帝王切開後より血尿出現.月経開始後より月経時に血尿がみられ,当院泌尿器科に紹介.MRIにて膀胱子宮ろうの診断.相談の上子宮摘出希望のため,腹式子宮全摘出術施行.ろう孔は膀胱の頂部と子宮体部下方に確認した.【症例2】41歳4回経妊,2回経産.既往歴:22歳時右卵巣妊娠にて卵巣摘出.24時骨盤医のため他院にて帝王切開.26歳時他院にて経膣分娩.前医にて妊娠7週で希望の人工妊娠中絶予定であったが,ダイラパン留置時に出血あり,そのまま子宮内容除去したところ,出血多く膣内ガーゼタンポンして,当院に搬送となった.来院時血圧は安定していたが,頻脈傾向であった.ガーゼ抜去後出血は減少傾向であったが,超音波にて帝王切開瘢痕部と思われる部位に高輝度エコー像を認め,帝王切開瘢痕部妊娠と診断.Hb:9.3,Ht:30.0で,相談のうえ子宮摘出希望のため,腹式子宮摘出術施行.術後貧血加療したが,輸血は行わず術後11日目に退院となった.【結語】今回全く異なった帝王切開後の合併症から子宮摘出となったが,産科を標榜する以上,帝王切開は常に行わなければならない手術であり,これらの症例を通して再度帝王切開の術式を検討するべきかと思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
151-151, 2006
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