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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩8
カンジダ起因性羊膜絨毛膜炎の1例


田中 利隆, 伊藤 茂, 山田 美恵, 米本 寿志, 木下 勝之
順天堂大学医学部産婦人科


 妊娠中の腟カンジダ感染症は,妊婦の20〜25%に起こると言われているが,子宮内への上行感染,さらに羊膜絨毛膜炎に至るケースは稀であるとされている.分娩前掻痒感,帯下異常を認めなかったが,カンジダ感染症により絨毛膜羊膜炎に至り,早期産となった1例を経験したので報告する.症例は39歳,1経妊1経産,自然妊娠成立後,他院で経過観察.23週1日,子宮口の開大を認め当院へ母体搬送となった.入院時の腟培養検査にてgardnerella(3+),Candida albicans(+),血液検査上白血球とCRPの上昇,子宮頚管顆粒球エラスターゼ(+)のため,細菌性腟炎,切迫早産の診断で抗生剤の局所投与(CP)と点滴(CEZ),塩酸リトドリンによる子宮収縮抑制をおこなった.治療後腟培養検査ではgardnerellaのみ陰性となったが,白血球,CRPは上昇傾向,24週1日高位破水,その後子宮収縮抑制不能,白血球,CRPの上昇続くため子宮内感染疑いで24週5日,緊急帝王切開術を施行した.児は674gの男児,Apgar scoreは5/9,羊水は緑黄色で培養にてCandida albicansを検出,児の胃液・臍部の培養からもCandida albicansを検出した.児は出生後より抗生剤と抗真菌剤の点滴を施行,良好な経過をたどっている.子宮内でカンジダに罹患した超低出生体重児の予後は不良であるとの報告が多く,生存には早期診断と早期治療的介入が必要であると報告されている.通常ではカンジダ感染症が切迫早産の原因となることは少ないが,腟自浄作用低下が疑われる場合の羊膜絨毛膜炎には,カンジダ感染症にも注意が必要であると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 152-152, 2006


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