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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
子宮頸癌2 子宮頚癌原発癌性髄膜炎の一例
山道 玄, 高橋 伸卓, 武隈 宗孝, 古川 直人, 平嶋 泰之, 山田 義治
県立静岡がんセンター婦人科
癌性髄膜炎は治療をしなかった場合4〜6週で死にいたる疾患で,ことに婦人科癌原発のものは大変まれである.今回我々は子宮頚癌原発癌性髄膜炎の一例を経験したので報告する.症例は44才.平成12年に子宮頚癌1b期で広汎子宮全摘術を前医で施行し,病理診断は腺扁平上皮癌であった.平成16年4月骨盤リンパ節再発を認め,当科でTJ療法6回施行し,PRを得た.平成17年6月骨盤内多発再発を認め,TJ療法を施行した.治療前から頭痛・目の焦点が合わないとの訴えがあった.嘔吐・左肩周囲の痛み・眼痛が出現し,8月15日緊急入院した.脳MRI・電解質に異常なかった.翌日斜視が出現し,精査の結果,両眼うっ血乳頭を認め,頭蓋内圧亢進と考えられた.腰椎穿刺を施行し,腺癌細胞を認めたため,癌性髄膜炎の診断となった.脳室狭小のため,オンマイヤーリザーバーを造設せず,腰椎穿刺にてMTX 5mgの髄注を施行した.2回の髄注を施行後,症状消失し,以降2週に1回の治療に変更した.現在症状消失を維持している.神経症状を認める癌患者に画像的な異常がない場合でも,癌性髄膜炎の可能性があれば,腰椎穿刺の検討を要すると思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
158-158, 2006
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