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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
子宮頸癌2 ネダプラチン(NDP)投与にて過敏反応を呈し,減感作療法にて再投与しえた1例
松江 陽一, 田岡 英樹, 戸田 淑子, 前村 俊満, 竹下 直樹, 間崎 和夫, 安部 裕司, 田中 政信, 森田 峰人, 久保 春海
東邦大学医療センター大森病院第1産科婦人科学教室
白金製剤の化学療法において,過敏反応が出現することは稀ではない. 今回我々は化学療法時に,ネダプラチン(NDP)投与にて過敏症様症状を呈したが,減感作療法にて再度使用しえた1例を経験したので報告する. 症例は43歳,3回経妊0回経産,不正性器出血により近医より紹介受診し,精査・加療目的にて入院となった.諸検査により,子宮頚癌(病理診断;squamous cell carcinoma),stageIIIbと診断した.治療前の腫瘍マーカーは,SCC 66ng/ml,CA125 356.4U/mlであった.輸血にて貧血の治療し,平成17年11月11日に化学療法(CPT-11+NDP)を開始した.12月9日に2コース目のNDP投与開始し,数分後に突然の呼吸苦が出現し,Satは88%と低下し,BPは160/94mmHg,HR110回/分と上昇を認めた.過敏反応を疑われたため,直ちに投与を中止した.また,酸素マスク3l/分投与し,グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤,グルタチオンをそれぞれ1A静脈投与し,約20分後に改善した.翌日皮膚科に依頼し,プリックテスト(+)であったが,DLST(−)であり再投与を計画した.再投与の2コースは,ステロイド持続投与と減感作投与(NDP投与を1/1000,1/100,1/10濃度で順次投与)を施行し,過敏反応出現なく,3コース目も同様に投与しえた.SCC 38ng/ml,CA125 106.5U/mlと腫瘍マーカーも減少し,現在も治療中である.
Key words:ネダプラチン,過敏反応,減感作療法
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
158-158, 2006
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