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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
子宮頸癌2
当院における進行子宮頚癌に対するNAC療法の成績


小曽根 浩一, 河野 圭子, 高野 克己, 新井 ゆう子, 岡根 真人, 西田 正人
国立病院機構霞ヶ浦医療センター産婦人科


 当院では進行子宮頚癌に対し,積極的にNAC(neoadjuvant chemotherapy)を施行している.NACの適応は,手術不可能な3b期以上,また,腫瘍の大きさが大きい2b期,1b2期の症例に対し行なっている.扁平上皮癌に対しては,イフォマイド・ネダプラチン・ペプロマイシンを併用したSIP療法,腺癌に関してはCDDPの動注療法を原則として行っている.当院において2001年1月から2004年12月までに治療を行った,子宮頚癌1b期以上の症例について検討した.1b1から4b期までの症例は48名あり,1b期19名,2a期6名,2b期10名,3b期10名,4a期2名,4b期1名であった.そのうち1b期3名,2a期2名,2b期8名,3b期6名,4a期2名の計21名に対し,NACを試行した.3b期症例6名中4名(67%)がdown staging可能で,広汎子宮全摘術を施行した.手術可能であった4名中3名は再発兆候を認めていない.また,4a期症例では,1名(50%)がdown stagingにより手術可能となった.2期症例では2名が手術により完全摘出が可能で,術後放射線療法を必要としなかった.また妊孕性温存を強く希望した1b2期の症例が,1a1相当まで腫瘍が縮小し,円錐切除により妊孕性を温存した治療が可能であった.2b期でNAC後に手術を施行した7名中4名に再発を認めた.進行子宮頚癌の治療成績は未だ充分と言えるものではなく,放射線療法による晩期障害も患者のQOLを妨げるもとになっている.放射線療法,手術療法の合併症を軽減させる方法としてNACは有用であると考える.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 159-159, 2006


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