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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
子宮体癌1 タキサン製剤を含む化学療法が奏効した子宮体癌再発例
中村 学, 阿美 聡明, 斎藤 麻紀, 宮本 純孝, 富田 初男, 安藤 昭彦
さいたま赤十字病院産婦人科
再発子宮体癌に対して有効な抗癌剤のレジメは確立されていない.近年はタキサン製剤を使用したレジメが効果的であるとの報告が増えつつある.今回我々は,術後15年3ヵ月目に肝転移,骨盤内再発を来たし,タキサン製剤を含む化学療法により,腫瘍縮小効果および臨床症状の改善を認めた症例を経験したので報告する.症例は55歳の1経産婦.1988年2月(当時37歳),子宮体癌にて準広汎子宮全摘,両側附属器切除,骨盤リンパ節郭清を施行.病理診断は類内膜腺癌(G1),臨床進行期IIbであった.術後5FU,Endoxan,MMC,Lentinanの多剤併用療法を施行した.術後1年間MPA内服し,その後1年間5FU内服した.1990年5月骨盤内に腫瘤を触知したため,セカンドルックを兼ね開腹したが再発所見はなかった.その後再発徴候なく経過していた.2003年5月,性器出血にて近医受診.腟内に腫瘍を認め,子宮体癌再発疑いにて当院紹介受診.腟内腫瘍の組織診では既往子宮体癌と同様な組織型と診断.CT検査にて多発肝転移と腟より骨盤内右側に腫瘤を認めた.CA125は189U/ml.化学療法としてTJ療法施行.TJ療法8クール施行し,骨盤内の腫瘍は縮小したが肝転移巣は不変であった.CA125の下降も横ばいになったためレジメをTAP療法に変更.TAP3クール施行し,骨盤内腫瘍の消失とCA125の下降を認めたため,一旦化学療法を中止した.休薬5ヵ月でCA125の上昇と骨盤内腫瘍の増大を認めたため再度TAP療法施行.5クール施行したがCA125と骨盤内腫瘍の大きさは不変.DJ療法に変更した.DJ療法後CA125の正常化と腫瘍縮小を認めた.現在までCA125の上昇の度にDJ療法を繰り返し10クール施行した.患者は担癌状態であるがPS1で過ごしている.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
160-160, 2006
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