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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
子宮体癌1 進行・再発子宮体癌に対するAP療法の完遂率および有害事象に関する検討
市川 義一, 進 伸幸, 川口 牧子, 末盛 友浩, 富田 明代, 平沢 晃, 玉田 裕, 阪埜 浩司, 鈴木 淳, 青木 大輔, 吉村 泰典
慶應義塾大学医学部産婦人科
【目的】近年,海外ではAP療法(ドキソルビシン+シスプラチン)が進行・再発子宮体癌の標準治療とされている.本邦においてはAP療法のドキソルビシンの投与量が多いことや使用経験の少なさから,限られた施設でのみ行われているのが現状である.そこで今回,本邦において,AP療法の完遂率および有害事象,特に心毒性を明らかにすることを目的とした.【方法】2005年2月からのハイリスク子宮体癌(III/IV期およびIIb期G3など)14例を対象とし,インフォームドコンセントを得た上で,AP療法(DXR 60mg/m2,day1+CDDP 50mg/m2,day1 q3-4 weeks)を6コース施行した.治療開始時に病変がある場合は8コースとした(8コース目はCDDP 50mg/m2のみ).有害事象の発現頻度につき検討し,特に心機能については治療前,3,6コース後に心エコー検査を行い,左室駆出率(LVEF)への影響を評価した.【成績】2006年1月の時点で14例中8例が治療を終了し,8例における6コース完遂率は5/8(62.5%)であった.投与量減量はgrade 3の下痢1例,治療中止は現病増悪2例であった.20%以上のLVEF低下は3コース後0/6例(0%),6コース後1/6例(16.7%)であった.血液毒性としてはgrade 4の好中球減少を全コースの45.8%に認めたが,適切なG-CSF投与にて好中球減少が改善し治療継続が可能であった.非血液毒性としては,grade 3の下痢を2症例で認めた.【結論】AP療法は適切な支持療法および有害事象の正確な評価によって,日本人においても充分に認容しうる治療法であると考えられた.また,DXR(60mg/m2)投与による心機能への影響も許容しうるものであると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
162-162, 2006
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