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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
子宮体癌1 進行・再発子宮体癌症例に対するpaclitaxel,carboplatin併用療法(TJ療法)の治療成績
有本 貴英, 中川 俊介, 曽根 国瑞, 三浦 紫保, 中村 久基, 高田 恭臣, 豊島 壮介, 川名 敬, 八杉 利治, 大須賀 穣, 矢野 哲, 武谷 雄二
東京大学医学部附属病院産婦人科
[目的]子宮体癌の治療の主体は手術療法であるが,リンパ節転移や遠隔転移を認める進行症例や再発症例では予後不良であり,有効な治療法は確立していないのが現状である.当科では従来このような症例に対する化学療法としてcyclophosphamide,adriamycin,cisplatin併用療法(CAP療法)を行ってきたが,IIIc,IV期症例や類内膜腺癌G1以外の症例では予後不良であった.今回我々はpaclitaxel,carboplatin併用療法(TJ療法)を行いその効果と有害事象を検討した.[方法]進行(III,IV期)・再発子宮体癌症例37例(進行例23例,再発例14例)に対しTJ療法(paclitaxel 175mg/m2,carboplatin AUC5-6)を4週間間隔で施行した.進行症例23例のうち12例でTJ療法終了後に放射線療法を併用した.[成績]評価可能病変を有する18症例中11症例(CR 1例,PR 10例)で奏効し,奏効率は61%であった.2年生存率は進行例で76%,再発例で54%であった.有害事象のほとんどは骨髄毒性であり,grade 3以上の好中球減少を86%の症例で認めたが,G-CSFを必要としたのは3例(8%)であった.1例(3%)で血小板輸血,4例(11%)で赤血球輸血を必要とした.また1例(3%)でアナフィラキシーが出現した.[結論]進行・再発子宮体癌に対しTJ療法は効果が高く,有害事象も許容範囲内であると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
162-162, 2006
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