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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
子宮体癌2 経頚管的腫瘍摘出術(TCR)後,高単位MPA治療を行った若年性子宮体癌(子宮内腔発育型)の一例
白石 眞貴, 永田 育子, 小川 浩平, 小野 洋子, 河野 恵子, 雨宮 厚仁, 滝澤 基, 池上 淳, 寺本 勝寛
山梨県立中央病院産婦人科
【序言】若年性子宮体癌のlow risk例では妊孕性を温存した治療の検討も必要とされることがある.今回,経頚管的腫瘍摘出術(TCR)後,高単位MPA治療を行った症例を経験したので報告する.【症例】32歳,女性.妊娠分娩歴は0回経妊0回経産.既往歴は特記すべき事無し.現病歴は,平成17年5月6日,子宮内膜細胞異型にて当院紹介初診.子宮内膜細胞診はclass 3,子宮内膜生検では異型は認められなかったが,経腟超音波にて著明な子宮内膜肥厚像を認めた為,6月22日,子宮内膜全掻爬術施行.病理検査にて類内膜腺癌,G1の診断となった.その後のMRI検査ではjunctional zoneは保たれているものの内腔発育型の腫瘍像が認められ,また子宮鏡検査にて腫瘍組織の体部右前壁から内腔への突出が認められた為,7月29日,TCRによる腫瘍摘出術を行った.病理結果は検体の大部分が類内膜腺癌,G1であった.その後の細胞診・組織診では異型は認められず,さらにヒスロンH 600mg/dayによる治療を6か月間行ったが,その間も細胞診にて異型は認められなかった.平成18年2月22日,子宮鏡にて腫瘍像は認められず,3月1日,子宮内膜掻爬術を施行,以後外来にてフォローアップを行っている.【結語】妊孕性を温存した子宮体癌の治療において,TCRが有用であると思われた症例を経験した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
163-163, 2006
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