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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
子宮体癌2 再発子宮腺肉腫に対するifosfamideおよび放射線療法の使用経験
湯山 公美子1), 高田 舞子1), 青木 道子1), 細川 知俊1), 中田 浩一1), 向井 万起男2), 飯田 俊彦1)
済生会宇都宮病院産婦人科1), 慶應義塾大学病理2)
子宮腺肉腫は子宮肉腫の約8%と比較的まれな疾患である.一般にその悪性度は癌肉腫よりも低いとされているが,中には肉腫成分の過増殖を示す腺肉腫など,悪性度の高いものもあり,再発率は25〜40%とされている.再発部位は殆どが局所再発で約5%が遠隔転移である.再発腫瘍は,有効な治療法もないまま死亡する症例も少なくない.今回われわれは,手術不可能であった局所再発腫瘍に対し,化学療法および放射線療法を併用しPRを得て手術したものの,再度副腎に遠隔転移をし,転移巣を切除することにより良好なQOLを保ち得ている1症例を経験したので報告する.症例は55歳女性,不正出血を主訴に来院し,MRIにて子宮肉腫が疑われ,平成13年2月腹式単純子宮全摘術および両側付属器切除術を施行した.病理検査の結果は子宮腺肉腫(Ib期)であった.肉腫成分過増殖を伴っていたため,術後補助化学療法としてifosfamide療法を5クール施行し,以後外来経過観察としていた.平成16年2月腹腔内に13cm大の局所再発を認めたが,腫瘍径が大きく腫瘍切除は困難と判断し,平成16年3月よりifosfamideによる化学療法を施行した.PDであったため,平成16年5月より放射線療法を併用した.(全骨盤照射48Gy)平成16年10月,腫瘍はPRとなったため,腫瘍切除術を施行した.再発腫瘍は肉腫成分のみで構成されていた.平成16年12月より術後補助化学療法としてifosfamide5クール施行し,外来経過観察とした.平成17年8月,右副腎に遠隔転移をきたしたため,右副腎摘出術を施行した.再発腫瘍は肉腫成分のみで構成されていた.以後外来にて経過観察しているが,現在まで再発徴候を認めていない.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
164-164, 2006
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