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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
子宮体癌2
子宮体癌に対する術中迅速病理診断の有用性についての検討


古川 直人, 高橋 伸卓, 武隈 宗孝, 山道 玄, 平嶋 泰之, 山田 義治
静岡県立静岡がんセンター婦人科


 【目的】当院では子宮体癌に対する術式を,主に術中迅速病理診断(gef)によって決定している.今回,gefの正診率などについて後方視的に検討した.【方法】2002年10月から2006年3月までに,当院でgefを併用して,治療指針に則って手術を行った子宮体癌症例86例を対象として,筋層浸潤と病理組織型についてgefと術前診断(pre)の正診率,under diagnosis(UD)率などを求めた.【成績】年齢の中央値は61歳(37-81).正診率について,gefが67.4%(58/86)(筋層浸潤74.4%,組織型89.5%)に対して,preは36.0%(31/86)(筋層浸潤47.1%,組織型60.5%)であり(p<0.01:χ二乗検定),UD率はgefが29.1%(25/86)(筋層浸潤23.3%,組織型9.3%),preが52.3%(45/86)(筋層浸潤41.7%,組織型32.6%)であった(p<0.01).UDされた中で筋層浸潤について検討してみると,gefはdepthA 3例,depthB 11例,depthC 6例に対してpreはそれぞれ17例,13例,5例であり,depthAについてpreに多い傾向が見られた.また,preの中でUDされて当院の治療指針により縮小手術の範疇に入った例は26例(30.2%)であったが,gefにより縮小手術を施行されたのは10例(11.6%)にとどまり,縮小手術を行う割合を有意に減少できた(p<0.01).【結論】子宮体癌に対する術式決定において,術中迅速病理診断は,術前診断よりも明らかに有用であり,適切な治療を選択できる可能性が高いと考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 166-166, 2006


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