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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
良性卵巣腫瘍 Floating fat ballsを認めた成熟嚢胞奇形腫の一例
村瀬 隆之, 佐々木 重胤, 椙田 賢司, 高田 眞一, 山本 樹生
日本大学医学部産婦人科
卵巣成熟嚢胞奇形腫は頻度の高い腫瘍であるが,画像診断上多彩であり,腫瘍マーカーの値も様々である.巨大卵巣腫瘍で,術前腫瘍マーカーCA19-9が異常高値を示し,画像診断および摘出標本でFloating fat ballsを認めた,両側卵巣成熟嚢胞奇形腫の症例を経験したので報告する.症例は31歳,未経任.下腹部膨満感主訴に近医受診し,巨大卵巣腫瘍の診断で当科紹介され受診した.腹部は季肋下におよぶ嚢胞性腫瘍を認め,超音波やMRIでFloating fat balls,hair ballを認め,成熟嚢胞奇形腫と診断した.腫瘍マーカーはCA19-9は24030U/ml,CA125は463U/ml,CEAは64U/mlと高値を示した.開腹所見では,左卵巣は25×18cm大で2700gで内腔には3-5mm大のfat ballで充満されていた.右卵巣が10×8cm大で,180gの腫瘍で脂肪様組織で充満されていた.また右卵巣腫瘍の一部にチョコレート嚢胞が存在した.術式は左附属器切除術と右卵巣のう腫摘出術を施行した.術後は経過良好にて退院外来follow upとなった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
167-167, 2006
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