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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
良性卵巣腫瘍
非典型的な画像所見(泡沫状球形腫瘤充填像)を示した卵巣皮様嚢腫の1例


福間 深里, 吉田 昌史, 芝崎 智子, 高橋 宏典, 長谷川 ゆり, 田中 雅子, 松田 秀雄, 古谷 健一
防衛医大産婦人科


 【緒言】卵巣皮様嚢腫は典型的な画像所見を示し,術前からの診断が容易である.今回,非典型的な画像所見を示した1例を経験したので報告する.【症例】56歳,3経妊3経産.51歳閉経.既往歴に特記事項無し.平成17年11月下旬より下腹部痛あり,近医受診した.経腹超音波で,内部に径5から10mm大の球形の塊を多数含む,15cm大の卵巣嚢腫を指摘され,当科紹介受診となった.腫瘍マーカーは,SCC 10.7ng/mlと上昇認めるほか異常を認めなかった.MRI所見では,鏡面像を持つ,嚢胞性病変の中に,T1およびT2強調画像共にlow intensityな球形腫瘤が多数浮遊している像を認めた.脂肪抑制は陽性であった.以上の所見より,皮様嚢腫を疑った.18年2月にTAH/BSO施行した.左卵巣が径20cm大に腫大していた.嚢腫は表面平滑で緊満しており,内部で球体が浮遊しているのを透見できた.子宮及び右付属器は正常であった.嚢腫の内容は,褐色がかった漿液性成分と,多数の灰白色の径5mmから20mm大の球体であった.この球体の形状はサッカーボール様の凹凸があり,つまむと紙粘土のように容易につぶれた.また,毛髪も少量混在していたが,全ての球体の核となってはいなかった.Hair ballを別に認めた.病理診断は卵巣皮様嚢腫であった.【結語】画像所見で非典型的な像(泡沫状球形腫瘤充填像)を示す皮様嚢腫を経験した.画像的に稀なものと考えられる.文献的考察を含め報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 168-168, 2006


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