 |
|
  |
|
         
|
<< 学会誌へ戻る 卵巣未熟奇形種は若年発症が多く，奇形種全体の約1％以下の発生頻度といわれている．予後は組織の未熟性に深く関係し，形態学的にgrade 1-3の3段階に分類されている．我々は腹膜神経膠腫症を伴うgrade 1の未熟奇形腫，およびgrade 2の未熟奇形腫の2例を経験したので報告する． 【症例1】22歳の未産婦．主訴は下腹部痛．超音波，MRI画像では腫瘤の直径は15cmで一部充実性の部分を認めた．CA125：250.1U/ml，CA19-9：164.8U/ml，AFP：3.8ng/ml．開腹による左付属器切除術・大網部分切除術施行．左卵巣は一部被膜破綻を認め，内部に毛髪・骨成分・脂肪成分を認める多房性腫瘍を形成し，大網・腹膜の広範囲に散在する直径2〜3mm大の播種病変と腹水を認めた．術中迅速診断は成熟奇形腫であったが，最終病理診断は未熟奇形腫grade 1で，被膜破綻部および播種病変は成熟したgrade 0の腹膜神経膠腫症であった． 【症例2】36歳の2経産婦．主訴は腹満感と腫瘤触知．超音波・MRI画像では直径は15cmで一部充実性の多房性腫瘍を認めた．CA125：20.9U/ml，CA19-9：25.8U/ml，AFP：2.8ng/ml．開腹による右付属器切除術施行．腫瘍は多房性で毛髪・骨成分の内容を認め，術中迅速診断は成熟奇形腫であったが，最終病理診断は未熟奇形腫grade 2であった．現在，化学療法（BEP）施行中である． 奇形腫の中に成熟度の異なる部分が混在することも少なくない．このため術前の検査や術中迅速診断によって未熟奇形腫と診断するのは困難と思われる． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 172-172, 2006 |
||
|
一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内 TEL：03-3288-0993 FAX：03-5275-1192 E-mail：kantorengo@jsog-k.jp Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会 |