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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
悪性卵巣腫瘍2
脳転移を生じたclear cell adenocacinomaの1症例


疋田 裕美, 森田 豊, 井村 昌義, 中村 弘治, 竹内 沢子, 難波 直子, 上田 万莉, 石田 友彦, 藤 孝一郎, 山本 幸彦, 丸茂 元三, 大橋 浩文
板橋中央総合病院産婦人科


 今回,我々は,卵巣明細胞癌の手術療法,化学療法後に,脳転移による片麻痺をきたした稀な症例を経験したので報告する.症例は67歳,2経妊2経産.平成16年4月より腹部膨満感を認め,近医受診し卵巣腫瘍を指摘され,5月末に当科紹介受診.画像,腫瘍マーカーから,悪性卵巣腫瘍の疑いにて,6月下旬に開腹術を施行.迅速病理にて卵巣癌の診断のもと,付属器悪性腫瘍手術を施行す.左卵巣が径14cmで多胞性に腫大し一部充実性部分を認めた.腹腔内に多数の2〜5mm大の播種性病変を認め,骨盤内リンパ節にも転移を認めた.病理組織診断では,clear cell carcinoma,pT3bN1M0.術後DJ療法を2コース施行するも腹水増量傾向にあったため,CPT-11+MMC療法に変更したところ,著効し,腹水は消失した.6コース施行中,術前高値だった腫瘍マーカーは陰性化し,平成17年5月末の,胸腹部骨盤部CT検査にて再発巣を認めなかった.平成17年6月上旬,片麻痺を生じ,救急外来受診.頭部MRI検査にて左前頭葉に径4cmの単発性腫瘍を認め,患者からインフォームドコンセントを得た後,当院脳外科にて摘出手術を施行.腫瘍はほぼ摘出でき病理学的にも転移巣と確認された.その後,腫瘍マーカーは急激に上昇し,平成17年11月上旬,CT検査にて腰椎への骨転移,肝転移,副腎転移を認めた.骨転移に対する放射線療法などの対症療法を開始したが,平成18年1月上旬,永眠となった.明細胞癌は予後不良の疾患である.本症例では,腫瘍マーカーが陰性化し,局所に再発巣がなくとも,脳転移による片麻痺をきたした稀な症例であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 172-172, 2006


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