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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
悪性卵巣腫瘍2 初回手術から17年のあいだに頻回の再発を認めた卵巣顆粒膜細胞腫の一例
錦見 恭子, 岡嶋 祐子, 大川 玲子
国立病院機構千葉医療センター産婦人科
【はじめに】初回手術から8年後に再発し,腫瘍摘出術,化学療法施行するも,頻回の再発を認め17年の経過を経ている卵巣顆粒膜細胞腫の一例を経験したので報告する.【症例】56歳.1988年,左卵巣顆粒膜細胞腫にて左付属器切除術+単純子宮全摘術+右卵巣部分切除術施行.進行期Ia.1996年,後腹膜腔に腫瘍の再発を認め,腫瘍摘出術施行.術後化学療法4コース施行.のち2002年,2005年に後腹膜腔の再発を認め摘出術施行.初回の病理所見では,円形から類円形の核を有する腫瘍細胞が充実性に増殖しており,細胞質は乏しく,細胞境界は不明瞭,核クロマチンは比較的均一で濃く,核の切れ込みを認めた.核分裂像は10HPFあたり17であった.再発1回目,2回目,3回目の所見は,核異型度が軽度で核分裂像は10HPFあたり1,0,1であった.【考察】本症例では再発部位はすべて後腹膜腔であり,Progression free intervalが徐々に短くなっているが病理学的な悪性度は増していなかった.手術は回を増すごとに難易度が増し,再発3回目の手術では癒着のため腫瘍の完全摘出ができなかった.【まとめ】卵巣顆粒膜細胞腫にて再発を認めた症例は,完全摘出可能であったとしても再発を繰り返す可能性があるため,より厳重なfollow upが必要である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
173-173, 2006
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