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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
悪性卵巣腫瘍2
成熟嚢胞性奇形種の悪性転化をきたした1例


有村 賢一郎, 横山 幸代, 宮崎 泰人, 藤野 剛, 竹下 茂樹, 梁 栄治, 布施 養慈, 綾部 琢哉, 冲永 荘一
帝京大学医学部産婦人科


 類皮嚢胞腫は卵巣腫瘍の約20%を占め,その悪性転化は約1〜3%と報告されている.予後は一般の卵巣癌と比べて不良である.【症例】61才,1回経妊1回経産.前医で骨盤内腫瘍と腹水及び傍大動脈リンパ節腫大を指摘され紹介された.CEA:215ng/ml,SCC:3.5ng/ml,CA125:701.5U/ml.腹式単純子宮全摘術+両側附属器切除術+骨盤リンパ節郭清+傍大動脈リンパ節郭清+大網部分切除+虫垂切除を施行した.骨盤内腫瘍は左卵巣由来で直径16×15×9cm,充実性部分と嚢胞性部分とが混在していた.右卵巣は軽度腫大.傍大動脈領域には約7cm大の腫瘍が下大静脈・大動脈・腸間膜動脈・左右腎動静脈を巻き込むように発育し,下大静脈を前後から圧迫していた.病理診断は,左卵巣Mature cystic teratoma with malignant transformation(squamous cell carcinoma).骨盤内リンパ節には転移を認めず傍大動脈領域の腫瘤はリンパ節転移巣であった.腹腔内タッチスメアclassII.虫垂漿膜に癌浸潤を認めpT2cN1M0,StageIIIc.術後TJ療法を開始し途中で薬剤性発疹出現のためDJ療法に変更して計6コース施行した.3コース終了時に腫瘍マーカーは正常化した.現在外来にて経過観察中であるが,再発の徴候は認められていない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 174-174, 2006


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