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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
悪性卵巣腫瘍2
脳転移で再発した卵巣癌の2例


櫻井 学, 佐藤 豊実, 志村 玲奈, 中尾 砂理, 南 里恵, 松本 光司, 沖 明典, 角田 肇, 吉川 裕之
筑波大学臨床医学系産婦人科


 卵巣癌再発時の中枢神経転移は約2.0%とされている.今回我々は脳転移で再発した卵巣癌の2例を経験した.症例1は48歳0経妊0経産.漿液性腺癌IIIc期.術前化学療法後,卵巣癌根治術(腹式単純子宮全的摘術,両側附属器切除術,骨盤,傍大動脈リンパ節郭清術,大網切除術)施行.後療法としてTXL180mg/m2,CBDCA AUC=6(TJ)療法6コースを行った.20ヶ月後,右手の運動障害,構音障害出現.次第に症状増強し,頭部CTで小脳右葉に径約4cmの再発巣あり,頭部MRIにて右小脳半球の腫瘤による扁桃ヘルニア認め,緊急で右小脳腫瘍摘出術を行い,小脳局所に放射線治療を追加した.(2.0Gy/日,total50.0Gy)現在再発後7ヶ月を経過して寛解状態にある.症例2は55歳3経妊2経産.漿液性腺癌で左鎖骨上リンパ節に転移がありIV期.卵巣癌根治術施行後,TJ療法を8コース施行.5ヶ月後,左手の筋力低下が出現.頭部MRIにて右前頭葉に2個の径3cm未満の転移巣を認めた.γknife(辺縁線量24.00Gy,中心線量40.00Gy)施行したが,消失に至らず,9ヶ月後に再増大するとともに頭痛出現したため開頭腫瘍摘出術施行.術後,更に1ヶ月後,後頭蓋及び右前頭葉に出現した転移巣に対してγknifeを用い,初回再発後13ヶ月経過し画像上CRで現在に至っている.卵巣癌の中枢神経転移はほとんどが脳内に多発性に出現し,初回治療終了後2年以内に神経学的所見で発見されることが多いとされている.文献的考察も含めて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 174-174, 2006


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