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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
悪性卵巣腫瘍3 正常範囲内のCA125は残存腫瘍を否定できるか?
吉川 智之1), 喜多 恒和1), 工藤 一弥1), 高野 政志1), 藤井 和之1), 佐々木 直樹1), 岡本 三四郎2), 加藤 雅史3), 菊池 義公4), 古谷 健一1)
防衛医科大学校産婦人科1), 東京慈恵会医科大学産婦人科2), 兵庫医科大学産婦人科3), 菊池がんクリニック産婦人科4)
【目的】初回手術後の化学療法終了時CA125値が35U/ml未満の症例において,CA125値と再開腹時の腫瘍の有無や最大腫瘍径との間に相関関係があるか否かにつき検討する.【方法】後方視的に2000年1月から2005年2月までに初回手術を施行し,初回化学療法終了後,CA125値が35U/ml未満で,画像上増悪を認めないIII,IV期の漿液性腺癌と類内膜腺癌の29例を対象とした.再開腹時腫瘍が無かったものは最大腫瘍径を0cmとした.【成績】CA125値は3〜29(平均値:12.4,中央値:11)U/mlであった.再開腹時最大腫瘍径は0.5〜4cmであった.全体では,CA125値と再開腹時の腫瘍の有無や最大腫瘍径との間に相関関係を認めなかった.しかし,初回手術で完全切除できなかったIIIc期18例に限ると,CA125値は3〜23(平均値:9.8,中央値:9.5)U/mlで,再開腹時に腫瘍を認めたのは,CA125値が9U/ml以下の群で3/9例(33.3%),10U/ml以上の群で6/9例(66.6%)で(p=0.17),CA125値と再開腹時最大腫瘍径には相関関係を認めた(p<0.05).初回手術の残存腫瘍径が1cm未満でCA125値6U/ml以下であっても,再開腹時に2/4例(50%)で0.5cmではあるが腫瘍を認めた.【結論】正常範囲内のCA125値より腫瘍径を推測することが可能であるが,初回手術と初回化学療法によりCA125値が非常に低値となっても,残存腫瘍がないとはいえない.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
175-175, 2006
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