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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩13 ダブルカテーテル法を用いた持続注入硬膜外麻酔分娩での使用薬剤に関する検討
佐藤 茂1), 牧野 英博2), 菊池 公孝1), 新井 正1), 内田 能安1), 杉 俊隆1), 森 晃1), 三上 幹男1)
東海大学医学部専門診療学系産婦人科1), 牧野クリニック産婦人科2)
【目的】最近,硬膜外麻酔分娩で局所麻酔薬として使用されることが多くなったロピバカインはブピバカインと比較し分離麻酔に優れており,麻薬性鎮痛薬を併用した場合には効力に差がないという報告がある.今回われわれは,正期産,単胎頭位,経腟分娩の症例を対象とし,当科の硬膜外麻酔分娩法におけるロピバカインの有用性について検討した. 【方法】硬膜外ダブルカテーテル法で上カテーテルは腰椎2/3椎間から頭側へ4〜5cm,下カテーテルは腰椎4/5椎間から尾側へ3〜4cm挿入した.上下カテーテルに加圧型ディスポーザブル持続注入器(クーデックシリンジェクター®)を装着し,0.125%ブピバカイン+2μg/mlフェンタニルを使用した49症例(ブピバカイン群)と0.2%ロピバカイン+2μg/mlフェンタニルを使用した30症例(ロピバカイン群)で,鎮痛効果不十分時の薬剤総追加投与回数,1時間あたりの追加投与回数,いきみの低下,吸引分娩率,分娩第2期について比較した.統計処理は,Student’s t-test,χ2検定を使用し,p<0.05を有意差ありと判断した. 【結果】ロピバカイン群では,ブピバカイン群と比較して薬剤の総追加投与回数,1時間あたりの追加投与回数,いきみの低下,分娩第2期に有意差を認めず,吸引分娩率(ブピバカイン群48.9%に対して13.3%)が有意に低下した(p<0.001). 【結論】当科の硬膜外麻酔分娩法において,0.2%ロピバカインと0.125%ブピバカインの麻酔効果(追加投与回数)はほぼ同等と考えられる.吸引分娩率に関しては有意に低下しているため,ロピバカインは安全性において優れていると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
183-183, 2006
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