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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩13 当院産婦人科における親子共育プログラムの提供とその意義
丸茂 元三, 森田 豊, 中村 弘治, 井村 昌義, 竹内 沢子, 難波 直子, 疋田 裕美, 上田 万莉, 石田 友彦, 藤 孝一郎, 山本 幸彦, 大橋 浩文
板橋中央総合病院産婦人科
幼児虐待や少年犯罪など,子供に関する凶悪事件は,もはや珍しいものではなく,種々の驚愕する報道が絶えない今日である.この背景の一端として,我々は,出産前後の母親がなんらかの育児不安に陥っていることが影響している可能性があると考えている.核家族化が進み,これまで代々受け継がれていた育児というものが失われつつある現状や,多種多様な育児情報の氾濫が,母親たちを悩ませていることが,その原因となっているのではないかと思っている.そこで,当院では,多数の分娩,出産を取り扱うという産婦人科医療機関としての立場から,産科サービスの一つとして,子育て支援としての親子共育プログラムの講演を妊娠中の方およびその家族を対象に開始した.このプログラムは,子育てを不安なく楽しく取り組んでもらうと共に,子供のもつ無限多彩な可能性の素晴らしさ,親子で共に成長していくことの素晴らしさを認識してもらうことを目的としている.平成16年3月より開始し,平成17年12月の期間,367名の方(男性も含む)が,受講した.受講後の主な感想は,「子育ての不安が解消し,子育てが楽しみになった」,「子供とともに親自身も成長していきたいと思った」,「親の子供に対する態度が大切ということがわかった」,「出産と育児に対する良い心構えができた」などであった.このような妊娠中からの親子共育プログラムの提供により,妊娠,出産,育児の不安が解消され,子育てを安心して楽しく取り組むことが可能になればと願っている.さらには,心豊かに自分の進むべき道を自ら切り開いていく子供が育つ社会作りの一助になれば幸いと考えている.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
183-183, 2006
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