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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩15
常位胎盤早期剥離既往症例の予後と背景因子の解析


江良 澄子, 臼井 真由美, 村山 敬彦, 高井 泰, 斉藤 正博, 関 博之, 馬場 一憲, 竹田 省
埼玉医科大学総合医療センター


 【緒言】常位胎盤早期剥離は全妊娠の0.5%に発生するが,本疾患は約5〜16%に反復症例があるといわれている.当科において2001年1月1日〜2005年9月30日までの全分娩4346例のうち常位胎盤早期剥離と診断された症例は86例(1.98%)あり,反復症例は4例(86例中4.7%)であった.3例の反復症例を提示し,背景因子に関する検討を加えて報告する.【症例提示】症例1)36歳2経妊1経産.既往妊娠歴:28歳時,常位胎盤早期剥離の診断にて,緊急帝王切開術施行し,児は新生児死亡.現病歴:自然妊娠.妊娠初期より当科にて妊婦健診を受け,特に異常なく経過.妊娠33週6日朝,自宅階段で躓き,午後に外来受診.転倒,腹部打撲はなく,経腹超音波,NST上異常は認めず帰宅した.翌日0:30性器出血認め1:30受診したところ,児心音は徐脈で超音波上胎盤後血腫を認め,緊急帝王切開術施行した.児は2402g男児でAPS 0/0,UApH6.667.産後3日目に新生児死亡となった.症例2)34歳2経妊1経産.既往妊娠歴:32歳時,妊娠22週5日に妊娠高血圧症候群,HELLP症候群,常位胎盤早期剥離の診断にて緊急帝王切開術施行し,児は新生児死亡.分娩後精査にてSLE,抗リン脂質抗体症候群が判明.現病歴:自然妊娠判明後より予防的にプレドニン,アスピリン,ヘパリンを投与.妊娠24週4日,大量性器出血し,常位胎盤早期剥離の診断のため緊急帝王切開術施行した.児は,658g女児でAPS 1/4,UApH 7.425.NICUに入院し,日齢109日退院した.【結語】常位胎盤早期剥離の既往を有する症例は本疾患のハイリスク群であり,厳重な妊娠分娩管理が望まれる.上記の他1症例を含め,背景因子の解析に文献的考察を加え報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 188-188, 2006


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