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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
不妊 GnRH agonist長期投与により妊娠が成立したPOFの1例
西 弥生, 阿部 崇, 立山 尚子, 舘岡 佐知, 弘末 卓也, 明楽 重夫, 竹下 俊行
日本医大産婦人科
Premature ovarian failure(POF)は,40歳未満でhypergonadotropic hypogonadismn状態を呈し続発性無月経をきたす症候群である.病態として血中および卵巣における抗ゴナドトロピン抗体,ゴナドトロピン受容体抗体の存在が示唆されているが,未解明な点が多い.POFの排卵誘発におけるGnRH agonist(GnRHa)療法の有要性は,諸家により報告されているが,いずれもGnRHa投与中または中止後のhMG製剤投与中に卵胞発育が認められている.今回我々は,GnRHa投与開始から43日目,hMG製剤の投与なしに卵胞の発育を認め妊娠成立に至った症例を経験したので報告する.症例は30歳,0回経妊,身長150cm,体重41kg,既往歴と家族歴に特記事項なし.初経は13歳,月経周期は30日型であったが,留学中より帰国後無月経となった.1年の無月経を主訴に当院受診し,超音波断層法で子宮は萎縮,卵巣は描出不可能,FSH 141.2,LH 42.0,E2 10.0未満であった.POFの診断でカウフマン療法を4ヶ月施行したが,FSH低下が45にとどまったため,FSH 15を目安にbusereline acetate(900μg/日)を開始した.開始より27日目のFSH 24.8,GnRHaを継続し43日目,左卵巣に直径15.9mmの卵胞を認め,FSH 8.8,E2 466.1,P 0.4であった.hMG製剤を追加,翌日hCG投与しタイミング法,黄体補充療法(プロゲステロン25mg/日,妊娠5週まで)を行い妊娠成立した.現在妊娠37週,経過は良好である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
189-189, 2006
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