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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
不妊
不妊症症例に対する子宮鏡下子宮内膜ポリープ摘出の意義


遠藤 尚江1), 林 博1), 高田 全2), 杉本 公平2), 斎藤 隆和1), 田中 忠夫1)
東京慈恵会医科大学産婦人科1), 富士市立中央病院産婦人科2)


 【目的】子宮内膜ポリープの存在が妊孕性におよぼす影響に関しては,未だ一定の見解はない.そこで,不妊症症例に対する子宮鏡下子宮内膜ポリープ摘出(polypectomy)の意義を明らかにする.【対象と方法】2004年1月から2005年12月までに不妊を主訴に当科を受診した症例のうち,明らかな不妊原因を認めず,子宮鏡検査を施行した43例を対象とした.polypectomy症例(A群)と子宮内膜に異常を認めなかった症例(B群)に分け,2群間での術後半年以内の妊娠率,妊娠までの期間,流産率を比較した.さらにポリープの位置,大きさによる差も比較した.【結果】43例中A群は13例,B群は30例であり,内膜ポリープの最大径は3mmから18.6mmであった.自然妊娠が成立したのはA群5例(38.5%),B群3例(10.0%)と,A群の方が有意に高かった(p=0.04).流産はA群1例,B群1例であった.また,内膜ポリープの位置あるいは大きさは,妊娠率,流産率には影響を及ぼさないようであった.なお,摘出されたポリープのうち2例にatypical endometrial hyperplasia,simpleが認められた.【結論】子宮内膜ポリープは妊孕性を低下させていることが示され,また,ホルモン異常とも関連のある内膜腫瘍性病変の発生母地となる可能性も改めて確かめられた.したがって,不妊症例において,積極的にpolypectomyを行う意義があると示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 189-189, 2006


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