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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍その他1
術後早期の腹腔内再発腫瘍増大により腸管通過障害をきたした子宮癌肉腫の一例


杉浦 聡1), 武藤 聡子1), 川村 久恵1), 中川 圭介1), 上里 忠和1), 五十嵐 敏雄1), 梁 善光1), 山崎 一人2), 石田 康生2)
帝京大学医学部附属市原病院産婦人科1), 帝京大学医学部附属市原病院病理2)


 子宮癌肉腫は全子宮悪性腫瘍の2%程度にみられる極めて稀な腫瘍で,術前診断は困難である.また,その予後は極めて不良で,進行期分類1期であっても,5年生存率は50%前後.2期以上の場合に限れば,5年生存率は7〜12%程度との報告もある.今回我々は,子宮体部腺癌の病理診断にて手術を施行し,ごく早期に腹腔内腫瘤の再発を認め,腸管通過障害を起こした症例を経験した.症例:65歳.9経妊1経産.閉経54歳.2005年11月,不正性器出血のため前医を受診し,内膜細胞診でadenocarcinomaと診断され当科に紹介受診となった.当科組織診でも同様の結果であったため,同年12月に子宮体部腺癌の診断で準広汎子宮全摘術,両側付属器切除術,骨盤内および傍大動脈リンパ節廓清術を施行した.開腹所見上,子宮は超鵞卵大で一部暗赤色に変色し左後壁の漿膜面に腫瘍の露出を認めた.両側付属器は異常なく,腹膜の播種病変は肉眼的に認めなかった.病理組織検査はcarcinosarcomaであり傍大動脈リンパ節に転移を認め進行期分類は3c期であった.後療法として化学療法を行う予定としていたが術後10日ごろより嘔吐が出現した.当初術後イレウスを疑い禁食,胃管挿入等で保存的に管理したが,改善と増悪を繰り返したため,術後20日に腹部CT検査を施行したところ右上腹部に約6cmの再発腫瘤と肝転移を認めた.患者家族と相談のうえ積極的治療は行わず対症療法のみとした.その後も全身状態は急速に悪化し,術後約2ヶ月で永眠となった.子宮癌肉腫は前述の通り,非常に予後不良な悪性腫瘍であるが,そのなかでも本症例はきわめて急激な転帰が特徴的であり,当科で経験された子宮肉腫の統計学的検討と併せて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 191-191, 2006


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