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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
悪性腫瘍その他1 gemcitabineとdocetaxelを併用した化学療法が著効した子宮平滑筋肉腫の1例
石黒 葉子1), 信田 政子1), 村上 優1), 佐藤 茂3), 高橋 千果3), 中村 絵里3), 塚田 ひとみ1), 菊池 公孝1), 篠塚 孝男2), 三上 幹男3), 佐藤 慎吉4)
東海大学大磯病院産婦人科1), 綾瀬厚生病院産婦人科2), 東海大学付属病院産婦人科3), 東海大学大磯病院病理4)
症例は55歳,0経妊0経産,53歳閉経.2005年3月不正性器出血を主訴に近医受診し,超音波検査で6cm大の変性筋腫と診断され,紹介となった.画像所見では後壁粘膜下腫瘍で,変性筋腫あるいは平滑筋肉腫が疑われた.4月,自宅で性器出血多量にて来院し,貧血の進行をみとめた.同日緊急で腹式子宮全摘出および両側付属器摘出術を施行し,術後の病理診断で平滑筋肉腫と診断された.術後TTJ(TXL+CBDCA+THP)にて全身化学療法6コースをおこなった.化学療法終了2ヶ月後に腟断端再発と両側肺野に多発する転移性腫瘍をみとめ,2週間後に腟断端の腫瘤は腟壁を崩壊し,持続性に出血した.gemcitabineとdocetaxelにて全身化学療法を開始し,腟断端出血に対しては血管塞栓術にて止血した.1コース終了後,腟断端腫瘤と転移性肺腫瘍は約50%に縮小し,3コース終了後には肺腫瘍はほぼ消失,腟断端腫瘤は殆ど消失した.子宮平滑筋肉腫の治療は,いまだ確立しておらず,第一選択は子宮全摘出手術である.手術時,病変部が子宮に限局していたにもかかわらず約半数が再発し,5年生存率は50%以下と他の婦人科悪性腫瘍と比較しても予後は悪い.当院では2005年より子宮肉腫再発症例に第2選択剤としてgemcitabineとdocetaxel併用法療法をおこなっており,今回,平滑筋肉腫の再発例に対して同薬剤を使用し,著効を示したので文献的考察を含めて報告したい.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
192-192, 2006
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