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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
悪性腫瘍その他1 血栓性血小板減少性紫斑病を疑い,診断に至った子宮肉腫の1例
松浦 広明, 久保 愛子, 土井 貴之, 徳永 直樹
富士宮市立病院産婦人科
子宮肉腫は婦人科悪性腫瘍の中で比較的稀な疾患であり,病理診断にて初めて診断されることも多い.局所再発,遠隔転移を高率にきたし化学療法にも反応性は乏しいため予後は著しく不良である.今回我々は不正出血と全身の紫斑を呈し,血栓性血小板減少性紫斑病(以後TTP)を疑い血漿交換を実施し,その後の経過から子宮肉腫と診断に至った症例を経験したので報告する.【症例】60歳女性,6経妊2経産.2005.12初旬より不正性器出血出現.次第に全身の紫斑を認めたため2005.12.14当院紹介受診.子宮出血及び子宮腫瘍が認められた.Hb 6.6g/dl Plt 5.1×104/ml PT 50% D-dimer測定限界以上,抗血小板抗体陰性,抗核抗体陰性のため播種性血管内凝固症候群(以後DIC)およびTTP疑いにて当院内科入院,血漿交換実施しDICは改善した.2006.12.17子宮より強出血認めたため緊急子宮動脈塞栓術施行,その後性器出血は減少した.子宮内膜細胞診,組織診,MRIにて子宮肉腫を疑い2006.12.27開腹術施行した.病理組織診にてUndifferentiated sarcoma of uterusの診断,膣側断端陽性であった.現在外来経過観察中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
192-192, 2006
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