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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍その他3
閉経後20年を経過して抗凝固剤内服中に大量子宮出血をきたした一例


高野 忍, 古澤 嘉明, 杉林 里佳, 山本 由紀, 藤原 礼, 古賀 祐子, 鈴木 真, 大塚 伊佐夫, 己斐 秀樹, 亀田 省吾, 清水 幸子
亀田総合病院産婦人科


 ワーファリン内服による出血合併症は,身体の様々な部位で起こりうることが明らかになっている.今回,閉経後20年を経過して多量の子宮出血をきたした症例を経験したので報告する.
 症例は76歳,4妊2産.閉経55歳.40歳より重症連合弁膜症,心房細動,心不全のため,ワーファリンの内服治療を受けていた.10日前より続く性器出血と呼吸困難感を主訴に当院救急外来受診した.内診では子宮はやや腫大し,子宮口より多量の出血を認めた.経腟超音波では内子宮口付近に1cm大の粘膜下筋腫と2cm大の筋層内筋腫を認め,ドプラにて筋腫周囲に血流を認めた.MRIも同様で,悪性を疑わせる所見はなかった.子宮頚部細胞診はクラスI,内膜細胞診は陰性であった.Hb7.3と貧血があり,心不全の増悪も懸念され,入院となった.ワーファリンは自己判断で受診3日前に中止しており,入院時のPT(INR)は1.46と正常であった.入院後も子宮出血は持続し,3日間で計10単位の濃厚赤血球の輸血を要した.保存的に止血を期待したが,出血が持続したため,入院6日目に子宮動脈塞栓術を施行したところ,出血は著明に減少,全身状態改善し,入院12日目に退院となった.外来で施行したMRIでは筋腫は萎縮していた.子宮鏡では,子宮内膜は萎縮性であり,粘膜下筋腫の他に出血源となりうる病変は認められなかった.再検した子宮内膜細胞診は陰性であった.3ヵ月後にワーファリンを再開し,現在のところ症状の再発は認めていない.
 ワーファリン内服中の閉経後の子宮出血は本邦では報告例がなく,本症例の経過に考察を加え提示する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 198-198, 2006


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