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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))
【一般演題】
胎児異常1 水頭症を契機に胎児診断が可能であったキアリ奇形の一例
苅部 瑞穂, 栗城 亜具里, 近藤 哲郎, 御子柴 尚郎, 安藤 直子, 鈴木 紀雄, 小川 公一, 高橋 諄
昭和大学横浜市北部病院産婦人科
神経管開存症は適切な周産期管理を要する疾患であり,出生前に病態の把握をすることが重要となってくる.近年超音波検査の発展とともに出生前診断が可能となり,その他の画像診断を組み合わせることによって正確な診断が可能となってきている.今回我々は脳室拡大を契機にキアリ奇形と胎児診断し,生児を得ることができた一例を経験したので報告する.症例;33歳 0経妊 妊娠初診,BPDより妊娠24週と診断され,その後前医にて妊婦健診を受診していた.妊娠33週1日に明らかな脳室拡大を指摘され,精査目的にて当院へ紹介受診となる.脳室の著明な拡大とともに子宮頚管長の短縮を認めたため管理入院となる.超音波にて両側側脳室と第3脳室の拡大を認め,また腰部脊椎の骨欠損と同部位の脊髄髄膜瘤が描出された.MRIにて腰部の脊髄髄膜瘤と小脳の脊柱管への陥入認めキアリ2型奇形が疑われた.脳室拡大は進行性であったため肺成熟を待って35週2日選択的帝王切開施行,児娩出に至った.児は水頭症と腰部脊髄髄膜瘤を合併しており生後1日目に脳室ドレナージ・髄膜瘤閉鎖術を施行,生後25日目にV-Pシャント留置された.シャント感染による髄膜炎発症したためシャント抜去しており,状態安定の後再挿入の予定である.水頭症の鑑別診断に関して若干の文献的考察を加えて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2)
201-201, 2006
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