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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
胎児異常1
パルボB19ウィルス感染胎児の羊水中エリスロポエチン,トロポニン-T,心房性利尿ホルモン測定の意義


吉田 昌史, 松田 秀雄, 川上 裕一, 芝崎 智子, 高橋 宏典, 古谷 健一
防衛医科大学校産婦人科


 【目的】これまで胎児パルボB19ウイルス感染症では,胎児採血または中大脳動脈血流速度の測定による胎児貧血の診断がなされてきた.しかしながら,より直接的にかつ低侵襲的に胎児低酸素・心筋障害の程度を測る指標が求められている.そこで,羊水中のエリスロポエチン(Epo)とトロポニン-T(TnT)を測定し,あわせて心房性利尿ホルモン(hAMP)を測定することにより多角的にB19感染胎児における胎児低酸素・心筋障害の状況を解析することを試みた.【方法】妊娠中に母体B19感染症を呈した4症例のうち,胎児水腫を来した症候性胎児1例,無症候だった3例のB19感染胎児において,説明と選択の上採取された羊水を用いて測定に供した.症候性胎児に対しては免疫グロブリンによる胎児治療を施行し,治療前後に3回の羊水採取を行った.無症候性の3例においては,計4回の採取を行った.計7検体において,B19-DNA,Epo,TnT,hAMPを測定し,臨床経過との関連を後方視的に検討した.【成績】(1)羊水中B19-DNA copy数は胎児の病態を反映していた.(2)症候性胎児症例において,羊水中Epo値は胎内治療によって87.4mU/mlから34.6mU/mlに減少し,それとともに羊水中TnT値も減少した.(3)無症候性の3症例の羊水中Epo値は9.4mU/ml,9.9mU/ml,19.5mU/mlであった.【結論】羊水中Epo,TnT,hAMPは,B19-DNA copy数より詳細な胎児情報を得る上で有用な検査と考えられた.また臨床症状に伴い鋭敏に変化することから,今後の胎児治療の評価法としても有用性が期待されうる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 201-201, 2006


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