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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
感染症
真菌血症により敗血症性ショックをきたした卵巣癌症例の検討


三浦 紫保, 中川 俊介, 八杉 利治, 矢野 哲, 武谷 雄二
東京大学産婦人科


 進行卵巣癌治療で初回治療に当たり,症例のPerformance status不良の症例に対して術前化学療法が選択されるケースがある.今回我々はこのように術前化学療法が選択された症例の化学療法中にカンジタ感染症により真菌血症となり,敗血症性ショックをきたした卵巣癌例を経験したので,文献的考察も踏まえて報告する.症例は76歳5回経妊3回経産婦で,2003年10月より腹痛があり,他院を受診し卵巣癌による癌性腹膜炎と診断され,当院を紹介受診した.2003年12月入院時著明な今日腹水の貯留があり,両側の卵巣の腫大,腹膜播種,リンパ節腫張を認めた.全身状態不良であることより,中心静脈栄養を開始し,Taxol(175mg/m2)およびCarboplatin(AUC=6)による化学療法を選択し,同年12月8日に第1回,翌年1月5日に第2回の化学療法を施行した.1月23日40度の熱発と大量の下血があり,大腸ファイバーにてmucosal prolapse syndromeと診断される.翌日より尿量の低下,急性腎不全となり,血液培養およびCVカテーテル先端培養よりカンジタ陽性,b-D-グルカン508.3pg/mlと陽性で,真菌血症により敗血症性ショックをきたしたと考えられたため,FLCZ投与を約8週間にわたり投与した.その後真菌血症は沈静化し,更に化学療法を追加し,手術を施行し得た.本症例のように,近年進行卵巣癌治療で術前化学療法が選択されるケースがあるが,本症例のように真菌血症により敗血症性ショックをきたすケースもあるため真菌血症を副作用として念頭に入れる必要があると考えられる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 205-205, 2006


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