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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
手術
産婦人科手術症例における術中癒着防止剤使用に関する検討


竹内 沢子, 森田 豊, 中村 弘治, 井村 昌義, 難波 直子, 疋田 裕美, 上田 万莉, 石田 友彦, 藤 孝一郎, 山本 幸彦, 丸茂 元三, 大橋 浩文
板橋中央総合病院産婦人科


 外科領域における術中癒着防止剤の使用は,癒着性イレウスをはじめとする様々な術後合併症予防という観点からきわめて重要であると考えられる.今回,我々は,産婦人科手術症例における術中癒着防止剤使用について,産婦人科手術という特殊性を考慮し検討をおこなったので報告する.産婦人科手術においては,反復帝王切開や卵巣癌での再手術などの再開腹術症例が多いという事実,また卵巣,卵管周囲の手術の際の妊孕性温存が重要であることなど,他の外科領域の手術に比べて,特異的な点がある.当院では,平成17年,分娩数増加にともない帝王切開数は年間156症例に増加し,また子宮筋腫に対する日帰り集束超音波導入に付随し子宮筋腫核出術などの子宮筋腫手術も年間148例に急増した.このような背景の中,将来の反復および予定帝王切開術や再開腹術を考慮して,インフォームドコンセントを得たうえで可能な限り癒着防止剤を使用し,次回手術の際の操作性安全性の向上,妊孕性温存に努めている.また腹腔鏡下手術においても,5mmトロッカーから挿入できるように工夫し,操作性に富む癒着防止剤を使用し,種々の観点から卵管,卵巣周囲の癒着防止,妊孕性温存を試みている.また,悪性疾患のリンパ節郭清術後にも,後腹膜を閉鎖しないで,癒着防止剤を使用し,リンパ嚢胞の発生の予防,癒着による術後合併症の予防,再開腹時の操作性安全性の向上をはかっている.このような産婦人科手術という特殊性を鑑み,術中癒着防止剤使用に関して,若干の文献的考察を加えて報告したい.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 208-208, 2006


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