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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
手術
子宮筋腫術後急激に増大し再手術を要した粘膜下筋腫の一例


岩城 知子, 小林 由香利, 豊岡 理恵子, 小野寺 高幹, 森竹 哲也, 山本 泰弘, 寺内 文敏, 川村 良, 小倉 久男
東邦大学医療センター大橋病院産婦人科


 GnRHアナログ剤は子宮動脈への血流を減少させ,子宮筋腫核を縮小させるため,子宮筋腫の術前に用いられる.今回,子宮粘膜下筋腫に対しGnRHアナログ療法を行ったものの,著効が得られず2度の手術を必要とした症例を経験した.症例は37歳未婚未経妊女性.数年来の過多月経,月経困難症を主訴に平成16年11月18日当院女性専用外来婦人科を受診した.子宮体部前壁に9cm大の変性子宮筋腫,また底部に3cm大の筋層内筋腫核が認められた.画像上粘膜下筋腫は認められなかった.Hb 8.9g/dlと中等度の貧血もみられたため,GnRHアナログ療法を12月13日より6クール施行したのち,17年6月14日小開腹にて筋腫核出術を施行した.術後7月13日より月経が再開したが,過多月経と子宮内腔の3×3cm大の腫瘤がみられたため,再度GnRHアナログ療法を行った.2クール施行後も不正性器出血が続き,9月8日にはHb 5.7g/dlと高度の貧血がみられ,入院治療を要した.その後もGnRHアナログ療法をあわせて6クール施行したが,不正性器出血が続き,たびたび貧血が認められた.子宮内腔の腫瘤は増大傾向にあった.18年1月には腫瘤は6×3cmとなったため,悪性の可能性も考慮し,3月14日 開腹下に腫瘤摘出手術を行った.病理学的には子宮粘膜下平滑筋腫であった.GnRHアナログ療法中に筋腫の増大を認めた場合,GnRHアナログ療法を中止し,他の治療方法に移行する時期を見極めることが重要であると考えられる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 209-209, 2006


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