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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
【ランチョンセミナー1】
1.子宮体癌治療の標準化を目指して〜子宮体癌治療ガイドラインを中心に〜
寒河江 悟
札幌鉄道病院・副院長
日本婦人科腫瘍学会では,2004年秋の「卵巣がん治療ガイドライン」の刊行に引き続き,2006年秋にも「子宮体癌治療ガイドライン」の発刊を予定しており,作成委員会と評価委員会が制作を進めてきた.その作成手順は「何を知りたいか」のクリニカルクエスチョン(CQ)を抽出し,それに対して文献検索,構造化抄録の作成,エビデンスレベルの判断,推奨度の決定の手順を踏んだ回答を掲載するQ&A形式を取っている.内容的には初回治療,術後治療,術後再発リスク分類をフローチャートに示し,ガイドライン総説,初回治療,術後療法,治療後の経過観察,進行・再発癌の治療,妊孕性温存療法,子宮内膜異型増殖症の取り扱いが詳述されている. 本講演では,ガイドライン作成委員として参画した経験から,初回治療と術後療法を中心に解説し,中でも手術療法では,子宮摘出術,リンパ節郭清,腫瘍減量術,腹腔鏡の応用など最近の知見を紹介します.さらに術後療法では,これまでの標準療法であった放射線療法の最近の知見,化学療法では使用薬剤の変遷や放射線療法とのRCTの最新知見,さらにタキサン系薬剤の臨床応用の試みなど,急速に知見が集積しつつある現況を報告します.国際的な臨床試験グループであるGCIGが2006年末に企画しているコンセンサスカンファランスの内容なども紹介します.そして,ガイドラインに基づく子宮体癌治療の標準化のうえで,さらなる進展が期待できる状況を新たな方向性を含めて解説し,今後の問題点を探りたい.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
256-256, 2006
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