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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
【神奈川県産科婦人科医会(神奈川地方部会)報告】
神奈川県における絨毛性疾患登録事業
雨宮 清, 小林 陽一, 横山 和彦, 入江 宏, 木村 昭裕, 今井 一夫, 宮城 悦子, 角田 新平, 和泉 滋, 村松 俊成, 小西 英喜, 佐治 晴哉, 小野瀬 亮, 久布白 兼行, 後藤 忠雄, 中山 裕樹
神奈川県産科婦人科医会悪性腫瘍対策部
神奈川県産科婦人科医会では,昭和43年5月31日から絨毛性疾患登録事業の登録が開始されました.昭和49年からは日本産科婦人科学会でも正式に登録事業が始まりましたが,神奈川県は2番目に古いメンバーとして毎年集計に参加しています.昭和59年には日産婦登録16道県中,神奈川県は奇胎発生数1位となり,日産婦登録事業の中でも主要な位置を占めるに至りました. 登録方法は,人工妊娠中絶の月次報告と共に,絨毛性疾患発生報告書に例数を記載して提出して頂き,これによって把握した症例ごとに登録カードを発送し,記載して頂くというものです. この事業の特長は 1)昭和43年以来,1年も欠けることなく継続して絨毛性疾患登録事業を行ってきたこと 2)登録は総数登録でなく,1例1例を特定しての全例報告であること 3)神奈川方式と呼ばれる区分不明群に対する細分類を用いるなど,全国的にも牽引車の役目を果たしてきたこと の3点に集約することができると思います.そこで,今回は神奈川方式で集計を始めた昭和53年からの登録の集計結果を発表したいと思います. 登録の総数は,昭和53年〜昭和59年2135例,昭和60年〜平成2年1524例,平成3年〜平成10年1481例,平成11年〜平成16年883例です.出生・死産・中絶に対する発生率で,全奇胎は減少傾向ですが,部分奇胎は横ばい状態です.続発変化率は全奇胎より侵入奇胎9.3%,絨毛癌1.9%,部分奇胎より侵入奇胎2.4%,絨毛癌0%と明らかに差を認めていす. なお,この事業に対し,平成17年度の日本医師会最高優功賞が神奈川県産科婦人科医会に贈られました.この場を借りて,ご協力頂きました会員諸氏にお礼申し上げます.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
263-263, 2006
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