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<< 学会誌へ戻る 妊娠中は凝固系が亢進する一方線溶系は低下し血栓が発生し易い状況下にある．今回我々は深部静脈血栓症（DVT）合併妊娠の二症例を経験したので報告する．【症例1】36歳2-G 1-P，家族歴：父，兄に下肢深部静脈血栓症の既往あり．既往歴：前回妊娠時DVT合併．現病歴：妊娠9週5日初診．初診時左下肢に疼痛，腫脹がありDVTが疑われMRVenography（MRV）を施行したところ左総腸骨〜下腿静脈が描出不良であった．低容量アスピリン療法にて症状改善されたため，以後は同療法を継続し症状の再燃なく経過した．妊娠37週1日管理入院し，ヘパリン療法を併用した．妊娠37週3日に下大静脈フィルターを装着後，分娩誘発を行い妊娠37週6日経腟分娩となった．しかし産褥8日目に右大腿部の疼痛・腫脹が認められDVTの再燃と考えられた．産褥8日目よりワーファリンを開始し産褥17日目に退院となった．【症例2】33歳3-G 1-P，家族暦：特記すべき事項なし．既往歴：前回妊娠時に妊娠高血圧症候群のため妊娠31週で帝王切開．現病歴：妊娠21週頃より左下肢疼痛・腫脹を来たしたため22週3日当院に紹介された，同日入院しMRV施行したところ左総腸骨〜大腿静脈，右膝窩静脈以下が描出不良でありDVTの診断となる．入院後はヘパリン療法と低容量アスピリン療法の併用にて経過良好であった．妊娠37週1日下大静脈フィルターを挿入し妊娠37週3日帝王切開を行った．しかし術後15時間後に血圧80/56へと低下，下腹部に直径12cmの血腫形成を認め，帝切後2日目に血腫除去術を施行後．同22日目に退院となった．今回の2症例はともに分娩後にトラブルを生じたがその問題点を考察する． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 267-267, 2006 |
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