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		第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
  
		【一般演題】 
		妊娠分娩1 電解質異常により発見された胃癌合併妊娠の1例
  
		柳田 充雄, 亀森 哲, 根岸 正実, 岡崎 友紀, 多田 和美, 田所 望, 渡辺 博 
		獨協医科大学産婦人科
  
		  
		 胃癌合併妊娠は比較的稀ではあるが,進行例が多く予後は不良であることが多い.妊娠分娩が胃癌の発育を促進するという報告も多い.今回,妊娠28週に胃癌と診断された初産婦で,腹式帝王切開術と胃全摘術+横行結腸部分摘徐術を同時に施行した症例を経験したので報告する.症例は30歳(0経妊0経産).妊娠初期の経過は良好であった.妊娠22週より嘔気出現するようになり,その後食欲低下,体重減少,頻回に嘔吐するようになった.前医の血液検査で肝機能異常,電解質異常を認め,腹部超音波上胃癌が疑われた.妊娠28週2日,胃癌疑いとIUGRの診断で当院母体搬送となった.入院後の上部消化管内視鏡でBorrmannIV型進行胃癌と診断された.造影CTでは膵臓への浸潤は疑うが,腹水なく,肝臓や肺に転移の所見は認めなかった.全身状態改善後,妊娠29週2日腹式帝王切開術と胃全摘術+横行結腸部分摘徐術を施行した.児は1104g,Apgar 4点(1分値),9点(5分値)でNICU入院中である.病理診断では低分化腺癌であった.母体は術後経過良好で退院となり,現在内服抗癌剤で外来経過観察中である.
 
  
		日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
		268-268, 2006 
		 
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