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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
【一般演題】
妊娠分娩5 肥大型閉塞性心筋症合併妊娠の一症例
伊東 敬之1), 高木 司1), 深田 幸仁1), 星 和彦2)
独立行政法人国立病院機構甲府病院産婦人科1), 山梨大学産婦人科2)
症例)31歳1経妊0経産(13週にて死産)15歳の時に左胸部痛あり循環器内科受診,運動制限を指示されていた.18歳の時,心エコーにて肥大型閉塞性心筋症と診断.胸痛,動悸が出現し塩酸プロプラノロールを内服していたが,その後は自覚症状消失したため内服を中止していた.4週4日妊娠を確認.妊娠直前より塩酸プロプラノロール40mg/dayを内服していた.その後妊娠経過とともに自覚症状改善傾向にあり塩酸プロプラノロール10mg/dayに減量となる.26週0日管理入院となる.入院時NYHAI度,塩酸プロプラノロール10mg/day内服していたが,30週ごろより動作時呼吸困難出現し,塩酸プロプラノロール20mg/dayに増量.症状改善しないためジルチアゼム100mg/day内服追加.胎児の成長は順調であったが,母体の自覚症状は増悪,NYHA II度となり心エコーにて左心拡大著明となったため,循環器内科との検討の上,35週1日Swan-Ganzカテーテル留置下に,脊椎麻酔および硬膜外麻酔にて帝王切開を施行した.1,912g47cm女児Apgar score1分8点,5分9点.児は小児科入院管理となるが,経過は順調である.術後当院循環器内科にて管理.産後の状態は安定しており,術後10日目に退院となる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
276-276, 2006
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