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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
妊娠分娩6
妊娠33週全前置胎盤による大出血を起こしショック状態になったが母体のみ救命しえた1例


御子柴 尚郎, 鈴木 紀雄, 安藤 直子, 隅 靖浩, 苅部 瑞穂, 栗城 亜具里, 近藤 哲郎, 小川 公一, 高橋 諄
昭和大学横浜市北部病院産婦人科


 前置胎盤は全分娩の0.3〜0.5%の頻度で発生し,経産婦で頻度が高く初産婦の2〜3倍と言われている.妊娠中及び分娩前後において大出血をおこす可能性が高いため慎重な周産期管理を要する疾患である.今回我々は妊娠33週6日前前置胎盤による大出血にて救急搬送されショック状態で来院したが母体を救命しえた症例を経験した.症例は40歳1回経妊1回経産.第1子は36歳時39週5日正常分娩であった.既往歴に特記すべきことなく今回自然妊娠であった.妊娠30週全前置胎盤にて当院紹介受診し34週より管理目的入院予定していたが33週6日外出先にて大出血を起こし救急搬送された.救急搬送中にショック状態となり,来院時は心肺停止の状態であった.児心拍は60bpm以下であった.母体に対し直ちに気管内挿管,心臓マッサージ等蘇生処置を施しながら帝王切開術施行した.児は死産となったが母体は術後DIC,多臓器不全となるも回復し,術後15日目に退院となった.現在外来にて経過をみているが重篤な後遺症は認めていない.前置胎盤症例の周産期管理には様々な指針があるが,当院の前置胎盤の統計を加え考察する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 278-278, 2006


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