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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
【一般演題】
妊娠分娩9 経腟分娩後の産褥11日目の大量出血に対して子宮動脈塞栓術を行った1例
坂田 千枝, 牧野 康男, 三谷 穣, 梅崎 泉, 村田 眞希子, 清水 真弓, 松田 義雄, 太田 博明
東京女子医科大学産婦人科
産後出血は多種の原因より起こり,時に生命の危険をもたらすため,産科医にとって重要な疾患であるが,今回我々は正常経腟分娩後の産褥11日目より大量の子宮出血を来たした1例を経験したので,報告する.症例は22歳の初産婦.妊娠39週5日に前医にて自然分娩となる.経過良好にて退院となったが,産後7日目に性器出血あり前医受診.子宮復古不全の診断にて子宮収縮剤,止血剤投与され帰宅.産後11日目再度大量の出血のため,前医受診.輸液・輸血施行しながら当院へ搬送入院となった.当院に入院時は全身状態は安定しており,出血は少量であった.子宮頸管裂傷は認めず,USG・CTにて胎盤の遺残や腹腔内出血はなく,また血液検査にてDICや出血性疾患は否定された.子宮収縮剤を投与し経過観察としていたが,産後13日目(転院2日目)に再度1400gの性器出血あり.ショック状態となる.輸液・輸血行い全身状態は改善.診察上明らかな出血点および出血原因は不明であった.患者および家族は子宮の温存を強く希望されたため,インフォームドコンセントを取得した上で子宮動脈塞栓術を施行した.術中の動脈造影にても明らかな動脈性の出血は認めなかった.塞栓術後,出血は著明に減少した.産後出血の原因は種々なものがあり,原因に応じた対応が必要であるが,今回の症例のように原因不明で対応に苦慮することがある.子宮動脈塞栓術は子宮温存を可能にする治療であり,今回のような症例に対しても有効であると考えられ,選択肢の一つとして念頭に置くべき対処法と思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
284-284, 2006
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