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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
妊娠分娩12
帝王切開術時大量出血から術中心停止,多臓器不全となった一例


菊地 真理子, 田丸 俊輔, 伊藤 百合子, 加村 和雄, 西林 学, 三木 明徳, 板倉 敦夫, 石原 理
埼玉医科大学産婦人科


 症例は32歳,初産婦,子宮内膜症の既往あり.他院にて妊婦健診施行.妊娠39週6日,陣痛発来したが,子宮口全開大後6時間経過しても分娩に到らず,吸引分娩を施行するも児娩出できず当院母体搬送となった.来院時,吸引分娩処置に伴う膣壁裂傷のみで他に異常所見なく,reassuring fetal status,微弱陣痛であったため陣痛促進開始.胎児徐脈出現したため鉗子分娩を試みるが児を娩出できず,直ちに緊急帝王切開術を施行.児は3816g,Apgar score7-9,UApH7.196,帽状腱膜下血腫を認めた.児娩出後の子宮収縮は極めて不良であり,子宮内腔にガーゼを充填し閉腹.出血持続するため再開腹術を施行.止血処置を試みるが出血軽減せず,大動脈の圧迫,血管外科に大動脈の一時的遮断を依頼し,子宮膣上部切断術,右付属器摘出術施行.その間急速輸血による高カリウム血症のため心停止となり直ちに心臓マッサージ,除細動施行するも回復せず,インスリン大量投与により心停止から40分経過したところで心拍動が再開したので術中透析も導入した.子宮摘出後も膣からの出血は持続しており膣壁裂傷縫合術を施行した.術中総出血量11950g,MAP73単位・FFP46単位・PLT40単位使用.術後はDIC,多臓器不全,重症感染症を併発したが,血漿交換,人工透析など懸命なる治療のもと全身状態は徐々に改善し,高次脳機能に異常を認めず,下肢の運動障害のため現在リハビリに励んでいる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 290-290, 2006


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