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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
妊娠分娩13
ガンマナイフ治療後の妊娠分娩症例の検討


元木 葉子, 佐藤 綾, 武居 麻紀, 菊地 紫津子, 木田 博勝, 中山 昌樹
横浜労災病院産婦人科


 ガンマナイフ治療後の妊娠分娩例について,当院で経験した5症例(6分娩)について,文献的考察を加えて検討し報告する.当院で経験した症例の原疾患は小脳血管芽腫・AVM・脳腫瘍であった.いずれも母児ともに良好な経過であった.ガンマナイフは脳腫瘍・脳血管奇形などに対し施行される.妊娠可能年齢の女性にも行われることが多いため,ガンマナイフ治療後の妊娠分娩に対しては,個々の症例に配慮を必要とする.分娩中の頭蓋内出血の頻度は2500〜15000分娩に1例であるが,原因疾患であるAVMや動脈瘤は若年女性に多く,妊娠中に増悪し分娩時に出血をきたし母体死亡となる例も報告されている.また,当院では脳腫瘍治療後の1例以外は帝王切開により分娩しているが,AVMの場合,治療後2〜3年で完全消失し根治と判断されれば,経膣分娩も可能である.残存のある非根治例には無痛分娩による出産が勧められる.妊婦は過凝固となるため,帝王切開による分娩はかえって治療後の血管における出血や梗塞をきたしうるという報告もある一方,残存病変がある場合には,分娩中の血圧上昇が脳出血の原因となることが否定できないため,妊娠中・分娩中の管理については,十分なインフォームドコンセントに基づいた個々の方針の選択が必要と思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 292-292, 2006


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