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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
【一般演題】
子宮良性疾患1 子宮筋腫で単純子宮全摘後約10年して発見されたbenign metastasizing leiomyomaの2例
鈴木 才美1), 笠井 剛1), 平井 光男2), 小室 真祐子1), 深澤 宏子1), 奈良 政敏1), 大森 真紀子1), 端 晶彦1), 平田 修司1), 星 和彦1)
山梨大学産婦人科1), 社会保険山梨病院産婦人科2)
子宮筋腫は頻度の高い疾患だがbenign metastasizing leiomyoma(BML)は子宮筋腫術後3〜20年後に認める組織学的には良性転移腫瘍で非常に稀であり,肺に転移することが多い.今回我々は子宮筋腫で単純子宮全摘術後,後腹膜腔に発生しGISTとの鑑別に苦慮した症例と肺転移腫瘍にて発見された2症例をを経験したので報告する.【症例1】46歳,1経妊0経産.以前より挙児希望,下腹部痛あり,精査にて多発性子宮筋腫を指摘されていた.29歳,33歳時に筋腫核出術施行し,Gn-RH使用したが症状改善なく36歳時に患者希望にて単純子宮全摘を施行した.その後外来経過観察していた.超音波検査にて骨盤内腫瘍疑われ,MRIにて下行結腸と左腸腰筋の間に7cm径の腫瘤を認め,T2W1でほぼ全体が広汎に低信号で均一な造影効果を示していたため下行結腸由来のGISTが疑われた.開腹手術施行し,後腹膜に充実性腫瘤を認め,腫瘤摘出術を施行した.摘出標本の病理組織検査はleiomyomaであり,過去の子宮筋腫の切除標本と比較し同じ良性平滑筋腫の像を認め,BMLと診断した.【症例2】46歳,2経妊2経産.36歳時に子宮筋腫の診断にて単純子宮全摘を施行した.術後経過は良好だったが,12年後人間ドッグで撮影した胸部レントゲンにて右肺野に異常陰影指摘され,胸部CTで精査したところ約1cm大の腫瘤を3個認めた.胸腔鏡下右肺部分切除施行した.病理組織は良性leiomyomaであり症例1と同様過去の子宮筋腫組織と同じ所見であった.若干の文献的考察を加えて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
295-295, 2006
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