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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
【一般演題】
子宮良性疾患1 高齢者に発症し子宮肉腫との鑑別に苦慮した巨大変性子宮筋腫分娩の一例
中川 圭介, 落合 尚美, 中村 泰昭, 武藤 聡子, 川村 久恵, 上里 忠和, 五十嵐 敏雄, 梁 善光
帝京大学ちば総合医療センター産婦人科
子宮筋腫は通常生殖年齢女性に好発する疾患であり,閉経後の高齢者に症状を呈することは稀である.そのため高齢者で急速な変化を示す子宮腫瘍では子宮肉腫を疑うのが一般的である.しかしながら今回我々は急激に増大し,腟内へ筋腫分娩様の発育を示した巨大腫瘍のため子宮肉腫を疑ったが最終的には変性粘膜下筋腫分娩であった一例を経験したので報告する.症例は74歳2G1P,54歳閉経.2〜3年前より下腹部腫瘤感の自覚あるも放置していたが本年5月頃より腫瘤感の増強および水様帯下の増量がみられたため近医受診し,翌日当科紹介となった.内診では成人頭大に腫大したやや柔軟な子宮を触知した.また腟鏡診上腟内は腫瘍が充填していたため子宮口が確認困難であり,子宮ゾンデの挿入,内膜細胞診および組織診は不可能であった.超音波検査では子宮内に境界不明瞭な内部不整腫瘤を認め,悪性腫瘍の可能性を強く疑わせた.しかし頚部細胞診クラス2,組織診でも悪性所見はなく,腫瘍マーカーもLDH205IU,CEA1.0ng/ml,α-FP4.1ng/ml,CA125;13.0U/ml,CA19-9;16.3U/mlと正常範囲内であった.さらにCT,MR検査では変性粘膜下筋腫が疑われ,子宮溜水症を認めた.手術施行時の迅速病理診断は変性子宮筋腫であり単純子宮全摘・両側付属器切除術施行のみで終了した.術前血清で測定したホルモン値はE2 16pg/mlと閉経後にしてはやや上昇していた.最終的には変性した巨大な粘膜下筋腫が筋腫分娩となったものであったが,高齢者に発症したことにより診断に苦慮する結果となった.本症例について文献的考察を交えて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
296-296, 2006
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