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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))
【一般演題】
子宮内膜症 腸閉塞により発見された回盲部子宮内膜症の一例
三村 貴志, 本間 進, 荒川 香, 澤田 真紀, 長谷川 明俊, 松本 香, 大塚 純子, 横山 和彦, 齋藤 裕
昭和大学藤が丘病院産婦人科
腸管に発生する子宮内膜症の頻度は全子宮内膜症の10%前後である.その発生部位は直腸・S状結腸が70%と最も多く,小腸は7%と稀である.今回我々は腸閉塞の原因が回腸末端部に発生した子宮内膜症であった症例を経験したので報告する.症例は45歳,2経妊2経産.平成18年1月より腹部膨満感出現し,腸閉塞と診断され当院内科に緊急入院した.腹部CT検査で小腸の拡張及び左水腎症,両側卵巣の腫大を認めたため同日婦人科受診した.内診上,子宮および両側付属器は一塊となっており可動性不良でダグラス窩に圧痛を認めた.さらに超音波断層検査上5cm大の両側卵巣チョコレート嚢胞を認めた.CA125:207IU/ml,CA19-9:123IU/mlと上昇していた.腸閉塞に対しイレウス管を挿入し保存的加療を行なうも症状改善しなかった.原因精査目的で小腸造影,小腸内視鏡検査を行ない,回腸末端部の強度屈曲,狭窄を認めるも粘膜面に異常所見はなく,子宮内膜症による腸管癒着が疑われたため,外科と合同で2月に開腹手術を施行した.術中腹腔内所見として,直径5cm大の両側卵巣チョコレート嚢胞は子宮後壁に癒着しておりダグラス窩は完全閉塞していた.一方,回腸末端部に限局した病変を認めるのみでそれ以外に腹腔内の腸管癒着は認めなかった.回盲部切除術及び,両側付属器摘出術を施行した.術後経過は良好で退院となった.病理所見では,回腸末端部の狭窄部位に漿膜から筋層を貫いて粘膜下まで子宮内膜症組織を認めその周囲が繊維化し硬化しており,回盲部子宮内膜症による腸閉塞と診断された.腸管子宮内膜症は増加してきており,月経痛を伴う女性の腸閉塞の一因として腸管子宮内膜症を考慮する必要がある.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3)
298-298, 2006
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