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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
良性腫瘍その他
超高齢者卵巣腫瘍の一例


勝畑 有紀子, 葉山 智工, 青木 茂, 横井 夏子, 安藤 紀子, 茂田 博行
横浜市立市民病院産婦人科


 高齢化社会を向かえ90歳以上の超高齢者に対する外科的治療の報告も散見されるようになった.今回,当院にて94歳という超高齢者の卵巣腫瘍の症例を経験したので報告する.症例は99歳5回経妊5回経産,性器出血を認め,当院に受診.超音波検査,MRIで,17×8×16cmの多胞性の嚢胞性腫瘤として認め卵巣由来のmucinous-adenocarcinomaが疑われた.CT上軽度腎盂の拡大が認められたが,明らかな周囲への浸潤,腹水貯留は認めらなかった.またE2 51.2pg/mlでありホルモン産生卵巣腫瘍と診断された.悪性の可能性も否定できなかったが,超高齢で,高血圧,心房細動の既往があること,また巨大腫瘍で周術期における血栓のリスクも高いことから治療方針決定においては,慎重な検討を要した.患者さんとご家族とにインフォームドコンセントを行い,この時点では手術はせず経過観察の方針となった.しかし初診2ヶ月後より左腰痛が出現しNSAIDs内服するも徐々に症状増悪.手術の方針とし初診7ヶ月後,両側付属器摘出術を施行.腫瘍摘出に伴う,急激な循環動態の変化を避けるため,腫瘍壁を1cm切開し,内溶液(褐茶色)2600mlをゆっくり吸引した後,付属器摘出を施行した.術中,循環動態に著変なく安定した状態で手術を終えることができた.術後はICUにて管理としたが,心配された肺水腫や肺塞栓症も認めず,術後9日目退院となった.高齢者においては手術に伴う合併症のリスクは高く,外科的治療を施行する際には術前の評価とそれに対する十分な対応が要求される.社会の高齢化において今後本症例のような患者は増加すると考えられる中で超高齢者の対応について,今回の経験をふまえ文献的考察を加え報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 301-301, 2006


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