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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
子宮頸部悪性腫瘍1
ティーン・エイジャーのSTDの統計及び子宮頚部異形成の症例からみたHPVワクチン投与【時期】に関する考察


佐藤 洋一
法務省矯正局東京少年鑑別所産婦人科


 【目的】平成15年7月より,STD検査,治療を14―19歳の収容女子少年に行っている.当所の女性は,本来,14―19歳の身体的には性行動の最も盛んな時期である.STDの治療,啓蒙・教育による再感染予防,早期単回治療,子宮癌検診受診の指導など行った.著効の薬剤による一定の成果と,発症予防のための管理の必要性を認めた.【対象と方法】STDを心配する者,帯下異常,陰部掻痒感など症状の有症状者に対して,クラミジア検査,淋菌検査に関しては平成15年7月より,DNA(キャプチャー法)3種(クラミジア,淋菌,HPV)検査,及び婦人科細胞診を施行した.クラミジア,淋菌陽性者の治療としてアジスロマイシン1g単回投与を行った.平成15年7月から一年の結果の年齢階級別検討と,その後一年の結果との比較・検討をし,当所での方針による啓蒙・教育効果をみてきた.さらに,細胞診の病理学的所見を再検討しHPVに関して,啓蒙・教育し,二年目,三年目の推移をみた.【結果】1,1年目84→2年目78→3年目41人に施行.2,クラミジア検査陽性率は48.8→28.5→19.5%,淋菌検査陽性率は4.8→2.6→7.3%,HPV-DNA検査陽性率は66.0→52.6→68.3%となった.3,アジスロマイシンは,25→14→5名に単回投与することができ,特に副作用などはなかった.4,細胞診異形成の疑いは7→6→2例でHPV-DNA検査も93.3%陽性であった.【考察】中〜高リスク型HPVは14―19歳女性に既に,高率で,感染している.内服治療がある感染症と違い,性交渉開始したら細胞診等子宮頚癌検査を施行,あるいはそれ以前の時期にワクチンするべきである.啓蒙と教育の必要性もあるが,HPVワクチン投与開始の理論的時期は12歳(小6)以前である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 307-307, 2006


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